赤ちゃんの成長に合わせた 母乳育児の進め方

 


おっぱいを与えることは、赤ちゃんとママをつなぐ大切なコミュニケーション。まずは出産前から、母乳育児の進め方をイメージしてみましょう。


\母乳育児スタート!/

【生まれてすぐ】生まれた直後の赤ちゃんにおっぱいをくわえさせてあげましょう

母乳は吸われてはじめて出る仕組み。赤ちゃんもはじめてで上手に吸えない分、何回でも飲ませてあげて。初乳は粘り気がある黄色っぽい乳汁で、免疫がいっぱい! 一週間も過ぎれば白い成乳へと変化します。


ママの気になるクエスチョン!

Q.母乳を飲ませる時間はどのぐらいを目安にすればいいですか?


A.左右の乳房を交互に合計で20-30分を目安に飲ませます。

赤ちゃんに飲ませ始めると、しばらくして乳汁が作られてきます。

赤ちゃんは、作られた乳汁を口を大きくゆっくり動かし飲み始めます。


個人差はありますが、この乳汁の作るリズムに合わせてだいたい5分を左右交互に1~2クール、合計で20-30分を目安に飲ませます。

乳汁は両方の乳房に作れられます。片方のみ長く飲んだり、毎回片方のみになってしまう場合は、飲まれてないほうに乳汁が溜まりトラブルを起こすことがあります。一回の授乳で両側飲ませるようにしましょう。赤ちゃんが途中で眠ってしまい片方のみになってしまう場合は、一度抱きなおして、ひと休みしてからもう一度飲ませてあげましょう。



【生後1〜2ヵ月頃】環境に慣れない赤ちゃんを授乳で安心させてあげましょう

まだまだムラのある飲み方をする時期です。お母さんが抱っこすると「待ってました」とばかりにおっぱいを探します。そして一生懸命に吸いつき、安心します。お母さんは授乳と抱っこの繰り返しの生活になり大変ですが、家族にも協力を求めましょう。


ママの気になるクエスチョン!

Q.生後1か月です。母乳を飲んでも、すぐに大泣きです。母乳が足りていないのですか?


A.おしっこがちゃんと出ているようなら、母乳以外の理由も考えてみましょう。

母乳は飲んだ量がミルクと違ってわからないので、母乳が足りないのではと思うお母さんも多いでしょう。

母乳が飲めているかわかりやすい目安は、おしっこです。1日に6回以上オムツがしっかり濡れていて、色が薄く臭いも強くなく、便も1~2回出ていれば、赤ちゃんは母乳を十分に飲んでいると言えます。その他にも機嫌や皮膚色、活気、母乳を一日8回以上飲んでいるかなどチェックしておくといいでしょう。母乳が飲めているサインがあれば、母乳以外でも赤ちゃんの泣く理由はさまざまです。抱っこしてほしい、眠たい、退屈など、泣くと「母乳が足りないのでは」とすぐに授乳やミルクを足しがちですが、飲みすぎておなかが苦しくて泣くこともあります。お母さんは徐々に泣き方を聞き分けることができるようになるでしょう。


【生後2〜3ヵ月頃】リズムが安定して、定期的な授乳になります

赤ちゃんの体重が5kg近くなると飲み方が上手になり、ようやく3時間くらいのリズムがついてくる時期です。

時期や回数などは目安です。赤ちゃんの体重や発育には個人差があるので個性を大切に育てましょう。


ママの気になるクエスチョン!

Q.赤ちゃんが3か月に入り、夜中ぐっすり寝ています。このまま、夜間授乳しなくてもいいですか?


A.夜間も3時間以上あけないようにしましょう。

授乳中は、オキシトシンとプロラクチンというホルモンが分泌されます。この中でも、プロラクチンは夜間のほうがよく分泌されます。夜間に飲ませることで、プロラクチン濃度が上昇し、母乳分泌が維持され乳房トラブルの予防にもつながります。赤ちゃんが何か月になったから、離乳食が始まったからという理由で夜間の授乳をなくすこと、授乳回数を減らすことはありません。赤ちゃんがぐっすり寝ているとお母さんも起きにくいと思いますが、もしミルクを眠る前に足しているようなら控えめにして、3時間で起きるサイクルを作ってみるといいでしょう。授乳中のお母さんはプロラクチンの作用によって夜間起きても短時間で深く眠れる仕組みになっています。


【生後3〜6ヵ月頃】離乳食も始まり、一人でも遊べるようになります

昼夜の区別もつき、1人遊びもできてママもラクになる時期。6ヵ月近くになると離乳食が始まります。少しずつ無理なく進めましょう!

5〜18 ヵ月頃は、離乳食を与えながら母乳を飲ませる時期です。離乳食は赤ちゃんの月齢ごとに初期、中期、後期、完了期に分かれます。成長に合わせて食べる量や食品を選ぶと◎。


ママの気になるクエスチョン!

Q.離乳食をよく食べます。最近授乳時間が空いてきました。大丈夫ですか?


A.離乳食を開始しても、母乳はいままでどおりに与えてください。授乳回数が減ったり、夜間授乳をやめてしまうと、乳腺炎や乳房のトラブルの原因になることもあります。

離乳食を食べたあとは、必ず母乳を飲ませましょう。母乳には、赤ちゃんの消化を助ける消化酵素が含まれているので、母乳を飲ませることによって消化吸収がスムーズになります。離乳食を沢山食べるようになって、離乳食後におっぱいを飲んでくれないようになった時は、すこし遊んだあとに授乳をおこなうか、離乳食の前に授乳をしてみましょう。


\母乳育児とばいばい/

【生後6ヵ月〜1歳頃】いよいよおっぱい卒業!赤ちゃんを満足させてあげましょう


離乳食が3回食まで進んでも、おっぱいは同じように飲ませます。1歳を過ぎてしっかりと歩けるようになったらおっぱい卒業の時期。心までおっぱいで満たしてあげましょう。赤ちゃんが自然と飲まなくなるのを待つ「卒乳」という考え方もあります。


ママの気になるクエスチョン!

Q.母乳が大好きでよく飲んでいますが、離乳食を食べてくれません。どうしたらいいですか?


A.おっぱいが大好きだと、主食がおっぱいで副食が離乳食というペースでいく子もよく見聞きします。赤ちゃんはもともと、自分には何が必要で、どれだけ食べればよいのかが分かる能力、生き物としての調節本能を持っています。ですから、たくさん離乳食を食べさせるために、母乳を減らす必要はありません。

赤ちゃんは楽しく、美味しそうに食事をしている家族の様子を見ることで、食欲が刺激されます。その時期には早い遅いはありますが、必ずよく食べる日がやってきます。また、はいはいやつかまり立ちと運動機能がどんどん発達してくると食欲が出てきて食べ出すお子さんもいます。

なかなか食べてくれない場合も、無理強いするのではなく、根気よく食べれる機会を作ってあげましょう。

赤ちゃんが離乳食に飽きてきている場合には、少々塩味にしてみたり、和風味にしてみたりと、味に変化を持たせてみてください。味付けのない食事は食べないこともあります。その子自身の食べたい意欲が出てくるよう手づかみ食べをさせてみたり、かたさを調節したりして、かむことが楽しくなるように工夫することもよいでしょう。


桶谷式って?

桶谷式母乳育児とは助産婦・桶谷そとみ(1913-2004)が考案した乳房マッサージと母乳育児方法で正式には「桶谷式乳房管理法」と言います。

第2次世界大戦の最中、母乳が足りず栄養状態が悪いために命を落としていく赤ちゃんを目の当たりにするというつらい経験から、桶谷そとみは「母乳は出るものであり、出せるようにしなければ」という思いで試行錯誤の末、お母さんに苦痛を与えず乳房の調子を整える独自のマッサージ方法を確立していきました。

また、お母さんの乳房の調子や体調が良好であること、つまり心身ともに健康であることが、その母乳を飲む赤ちゃんの健康や順調な発育につながるという「母子一体性の理念」を提唱し、哺乳動物である人間がもつ本来のリズムを大切にすることを訴えました。

現在は、桶谷そとみの意志を引き継いだ後進達によって、桶谷式母乳育児推進協会を発足させ、桶谷式乳房管理法の正しい伝承と桶谷式乳房管理士の育成、母乳育児支援活動を行っています。現在の会員数は550名。全国の助産院(母乳相談室)をはじめ、病産院で皆さまの母乳育児をサポートしています。


監修:公益社団法人桶谷式母乳育児推進協会
イラスト:いいあい
※写真はイメージです。

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