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母乳育児のはじまり、初乳について知っておきたい!

 


初乳は出産後に初めて分泌される母乳のこと。

母乳の中でも特別といわれています。 初乳が大切ってよく聞くけれど、どんな効果があるの? 初乳が出るのは最初の1回だけなの? 初乳はいつまで出ているの? 

赤ちゃんにとって、とても大切な初乳について知っておくと、母乳育児がスムーズにスタートできるはず。助産師さんにお話を聞いてみました!

妊娠後期のママは特に要チェック!



初乳は誰にでもちゃんとでるのか心配。色で見分けられる? いつまで出るの?  

初乳には、生まれたばかりの赤ちゃんがさまざまな菌と戦っていくために必要な物質をたくさん含んでいます。非常に粘度が高くて、どろっとしてした濃い黄色っぽいクリーム色をしています。

ちゃんと初乳が出ているかしら? と気になるママは、この色を目安にしてみるといいですね。

ですが、あまり心配もいりません。例えば、早産で小さい赤ちゃんが生まれたら、ママのおっぱいは赤ちゃんが早く健康で大きくなるために必要な成分の母乳を分泌しますし、ママが風邪などにかかった場合は、赤ちゃんを風邪から守るような母乳を分泌します。自然にその親子に必要な母乳がでるのですから、哺乳動物とは不思議なものですね。

初乳が出る期間は人によって異なりますが、分泌がはじまってから3~5日間くらいが初乳の時期といわれています。 

初乳の時期に大切なのは、赤ちゃんが泣いたら、何度でもおっぱいをあげること。1日に8回以上、ママのお乳を深く吸わせるようにしましょう。何度も飲ませていくと、甘いお乳になって、赤ちゃんもわかります。

1日に出る量も、成乳と比べるとほんの少し。約40〜50mlほどです。少なく感じますが、これは生まれたばかりの赤ちゃんの小さな胃袋のサイズ(ビー玉くらい)にとっては十分な量なんですよ。

産後4週目頃には、母乳は完全な成乳へ 

初乳が出る数日が過ぎ、2週目までは移行乳と呼ばれます。初乳と比べると色が薄くなり、クリーム色っぽくなってきます。質感もドロッとしたものからさらっとした状態になり、成乳へ向けての準備期間といえるでしょう。 

初乳と比べて免疫成分が減って、脂肪分や糖質が増えて、赤ちゃんが成長するための理想的な母乳へと変化をしている途中段階なんですね。この時期は乳房がいつも張っていて、母乳の分泌量が増えてきます。 

そして2週目以降はサラサラした白色の母乳となり、成乳と呼ばれるようになります。糖質がさらに増えて甘くなってきます。4週目ごろには完全な成乳となります。初乳との大きな違いはタンパク質の種類が違うこと。母乳のタンパク質はホエイとカゼインが主なものになりますが、初乳はホエイ:カゼイン=9:1、成乳はホエイ:カゼイン=6:4とタンパク質の割合が変わってくるのです。ホエイには抗体がたくさん含まれているので、初乳に多く入っているんですね。 

初乳には免疫物質がたっぷり! どんな成分が含まれているの? 

初乳が大切といわれる理由は、初乳には赤ちゃんのために必要な成分がたくさん含まれているから。成乳に比べて、特にタンパク質の含有量が高いのです。 

このタンパク質は栄養補給のためというよりも、赤ちゃんを守るための免疫成分が主な成分。アレルギーや感染症予防にとても効果的なslgA抗体(分泌型免疫グロブリンA)が、成乳の約3倍も!  

そして、大腸菌やC型肝炎ウイルスなどに対する免疫力を高めるラクトフェリンもたくさん含まれています。他にもビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなどのビタミン類に、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、銅、そして新生児の脳の発達を助ける亜鉛などのミネラル類も豊富です。 

赤ちゃんにとって、初乳はどんな効果があるの? 

ママの体内で守られていた赤ちゃんは、出産で初めて外の世界に出て、新しい環境に適応して生きていかなければなりません。そのため初乳には、赤ちゃんを守るために血液中に存在するのと同じように多くの白血球が含まれています。

また、赤ちゃんを守る免疫成分のslgA抗体(分泌型免疫グロブリンA)は赤ちゃんの口から入ることで、喉や胃、腸の粘膜を保護して、ウイルスや細菌から守ってくれるんです。ママの身体から母乳を通じて、今までママが出会ってきた病原体に対する抗体が赤ちゃんに届けられ、赤ちゃんの体内で免疫機能を発揮してくれるんですよ。 

初乳を少し舐めてみてください。ほとんど味を感じないか、ほんの少しだけ塩味を感じる程度で、甘みは感じられないと思います。この塩分が、赤ちゃんの最初のウンチである胎便(黒緑色のべったりとしたウンチ)の排泄を促すとても重要な働きがあるんです。初乳を頻繁に飲ませることで、胎便の排泄を促して、それによって黄疸を軽減することができるのです。 

初乳をしっかり分泌させるにはどうしたらいいの? 

赤ちゃんにとって、大切な初乳。しっかり分泌させるにはどうしたらいいの? と心配になるママもいることでしょう。出産後、できたら30分以内に赤ちゃんにおっぱいを吸わせられると、初乳の出が良くなりますよ。あまり吸わないなと思っても、おっぱいを赤ちゃんの口に含ませて、舐めているだけでも乳頭への刺激がママの脳に伝わって、母乳の分泌が活発になるんです。 

赤ちゃんが口をチュパチュパしたり、泣いたりしたら、何度でもおっぱいを含ませてみてくださいね。慣れないうちは抱っこしながら授乳をするだけでママが疲れてしまうことも。ママと赤ちゃんの授乳タイムをサポートしてくれる授乳クッションを使うと、ママの腕への負担がグッと少なくなって、ラクに授乳できるようになりますよ。 

桶谷式って? 

桶谷式母乳育児とは助産婦・桶谷そとみ(1913-2004)が考案した乳房マッサージと母乳育児方法で正式には「桶谷式乳房管理法」と言います。 

第2次世界大戦の最中、母乳が足りず栄養状態が悪いために命を落としていく赤ちゃんを目の当たりにするというつらい経験から、桶谷そとみは「母乳は出るものであり、出せるようにしなければ」という思いで試行錯誤の末、お母さんに苦痛を与えず乳房の調子を整える独自のマッサージ方法を確立していきました。 

また、お母さんの乳房の調子や体調が良好であること、つまり心身ともに健康であることが、その母乳を飲む赤ちゃんの健康や順調な発育につながるという「母子一体性の理念」を提唱し、哺乳動物である人間がもつ本来のリズムを大切にすることを訴えました。 

現在は、桶谷そとみの意志を引き継いだ助産師たちによって、桶谷式母乳育児推進協会を発足させ、桶谷式乳房管理法の正しい伝承と桶谷式乳房管理士の育成、母乳育児支援活動を行っています。現在の会員数は550名。全国の助産院(母乳相談室)をはじめ、病産院で皆さまの母乳育児をサポートしています。 

監修:公益社団法人桶谷式母乳育児推進協会
※写真はイメージです。
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