babycoオンラインコンテンツディレクターであり、雑誌・書籍の編集者。カナダで短期大学、映画制作専門学校卒業後、新聞記者、ラジオDJ、TVドラマの編集など多様な分野の知識を得て帰国。帰国後は雑誌編集を中心に活動し、広告案件においても企画・コンセプト立てから担う。ライフスタイルを得意とし育児媒体には20年携わっている。
妊娠中は食欲が増すけれど「太り過ぎもいけないかな」。
産後はもとの体型に戻りたいし「ダイエットしようかな」。
そんな風に考えているママ。
妊娠中や産後の母乳育児中に必要なエネルギー量と食事のバランスについて、正しい知識を身につけておきましょう! 特に母乳をあげているママ、いままでの食事量ではダメなんです。
助産師&管理栄養士が厚生労働省のデータをもとに、献立例やレシピをあわせてお伝えしていきます。
桶谷式母乳育児とは助産婦・桶谷そとみ(1913-2004)が考案した乳房マッサージと母乳育児方法で正式には「桶谷式乳房管理法」と言います。
現在は、桶谷そとみの意志を引き継いだ助産師たちによって、母乳で育てたいママを「技」と「心」でサポート。 桶谷式乳房管理士(助産師)が全国に約330施設ある桶谷式母乳相談室などで母乳育児支援活動を行っている。
https://www.oketani.or.jp/
「母乳育児をしていきたいな」と考えているプレママ&ママ。
食事はしっかりと摂れていますか?
特に産後ママのなかには、赤ちゃんのケアで忙しくてついつい自分の食事を疎かにしてしまっているママもいるのでは?
母乳はママの血液から作られます。
ですから、しっかりと母乳を作れる母体を作っていくためには栄養補給が欠かせません。
厚生労働省が発表している「妊娠期・授乳期におけるエネルギー摂取基準」をみると、女性の1日の食事のエネルギー摂取基準(推定エネルギー必要量)は、
18〜29歳=1750kcal〜2350kcal
30〜49歳=1700kcal〜2300kcal
です。
そして、妊娠初期ではその基準に+50kcal、中期で+250kcal、末期(後期)になると500kcalも多く摂取することが推奨されています。
授乳期では、450kcal 多く必要です。
▼妊産婦の1日の食事エネルギー摂取基準
参照:厚生労働省「妊娠期・授乳期におけるエネルギー摂取基準」
「産後はもとの体型にもどしたいのに〜」「ダイエットしようかと思っていたのに〜」というママ!
しっかりと母乳を出すにためには、これだけエネルギーを使うってことをぜひ覚えておきましょう。
もちろん、ただカロリーを摂ればいいというわけではありません。「栄養バランスのいい食事」が大事なんですね。
母乳が血液ときけば「鉄分が必要」と想像できるように、肥満や虫歯の原因になる糖類は過多にならないように気をつけ、そのうえで炭水化物、タンパク質、脂質をバランスよく摂取していきます。
栄養バランスのよい食事を。
とはよく耳にしますが、それって具体的にはどんな食事がいいのでしょう。
下の図は、厚生労働省と農林水産省が策定した食生活指針「食事バランスガイド」です。
「なにを」「どれだけ」食べたらいいのかがひと目でわかるように「主食・副菜・主菜・牛乳&乳製品・果物」の5つに分類されています。
緑色の「非妊娠時」にある数を基準に、
妊娠中期では「副菜を+1品」「主菜を+1品」「果物を+1品」、
妊娠末期(後期)と授乳期は、主菜・副菜・主菜・牛乳&乳製品・果物すべてを1品ずつ増やすのが望ましいとされています。
「妊娠前からはじめる妊産婦の食生活指針(厚生労働省)」では、
バランスのよい食事とは
☑️「主食」を中心に、エネルギーをしっかりと
☑️ 不足しがちなビタミン・ミネラルを「副菜」でたっぷりと
☑️「主菜」を組み合わせてたんぱく質を十分に
☑️ 乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などでカルシウムを十分に
と書かれてあります。
また、授乳中に食べてはいけない食品はありません。必要な栄養素を摂取できるように、バランスよく、しっかり食事を摂りましょう。
ともあります。食べてはいけない食品はないというのはうれしいポイントですね。
ここからは、管理栄養士・岡本正子先生に「妊娠・授乳中のおすすめ献立例」を教えてもらいましょう。
朝食・昼食・夕食の3食で1843kcal の献立例です。
ここに、おやつタイムの捕食として400kcalぐらいを目安にプラスしていくと母乳育児中のママの1日の摂取量としてちょうどよさそうです。
もちろん、捕食もお菓子などではなくおにぎりや果物などを栄養バランスを考えながらプラスしてくださいね。
手間いらずの5品で栄養ばっちり!
黒米ごはんはしっかり噛んで味わって
<朝食献立例>
(1食分の総エネルギー648kcal)
・黒米入りごはん
・お麩と青菜のおすまし▶︎レシピ
・蒸し野菜サラダ▶︎レシピ
・ソーセージのソテー
・みかん
野菜をいっぱい使ったやさしい味わいのランチ
ビタミン・ミネラルがたっぷり
<昼食献立例>
(1食分の総エネルギー473kcal)
・ひじきごはん
・にら玉スープ▶︎レシピ
・長いもの梅わさあえ▶︎レシピ
・梨
健康ごはんに欠かせないメニューがずらり
ママも赤ちゃんもこれなら元気百倍!
<夕食献立例>
(1食分の総エネルギー722kcal)
・白米ごはん
・なめことかぶのみそ汁
・ひと鍋いり鶏▶︎レシピ
・切り干し大根の煮付け▶︎レシピ
洋食が増えた現代の食生活は、ビタミンやミネラルが不足しがちです。妊娠・授乳期は特に意識して食事に野菜を摂り入れるようにしましょう。
また、糖分や塩分を摂取しすぎないように調味料にも工夫をしてみましょう。今回ご紹介したレシピは、調味料をなるべくひかえて、食材のうまみを引き出すことにこだわったもの。乾物を上手に利用すると、乾物のもつ栄養分をたっぷり含んだうまみが出て、調味料をおさえられますよ。
育児に忙しくて自分のためにお料理なんてしていられない! というママもいるかもしれませんが、今回はなるべく手間のかからない食材を利用したレシピをご紹介しています。日本人の体質にあった和食を中心に、母乳育児のためにもバランスのよい食生活を心がけてみてくださいね。
今回ご紹介した、授乳期のママの食事のことはもちろん、母乳育児に関する悩みには
■いい母乳のための食事ってどうしたらいいの?
■おっぱいが痛い、これって乳腺炎?
■断乳をどうやって進めたらいいの?
など、幅広くあるでしょう。
こうした母乳育児全般の悩みを解決してくれる桶谷式の相談室。一人ひとりに合わせた母乳育児のアドバイスをしてくれます。
助産師さんに直接みてもらえる個別相談なら、自分たち親子にあった解決がみつけやすいですね。
おっぱいが出にくいという悩みには、オリジナルの乳房マッサージで柔らかくしておっぱいを出やすくしてくれたりもします。
全国約330箇所にある「桶谷式母乳育児相談室」では、一人ひとりにあった対処法を教えてもらえますよ。ひとりで抱え込まずに、以下「OPPA!」 からご相談ください。
桶谷式母乳育児とは助産婦・桶谷そとみ(1913-2004)が考案した乳房マッサージと母乳育児方法で正式には「桶谷式乳房管理法」と言います。
第2次世界大戦の最中、母乳が足りず栄養状態が悪いために命を落としていく赤ちゃんを目の当たりにするというつらい経験から、桶谷そとみは「母乳は出るものであり、出せるようにしなければ」という思いで試行錯誤の末、お母さんに苦痛を与えず乳房の調子を整える独自のマッサージ方法を確立していきました。
また、お母さんの乳房の調子や体調が良好であること、つまり心身ともに健康であることが、その母乳を飲む赤ちゃんの健康や順調な発育につながるという「母子一体性の理念」を提唱し、哺乳動物である人間がもつ本来のリズムを大切にすることを訴えました。
現在は、桶谷そとみの意志を引き継いだ後進達によって、桶谷式母乳育児推進協会を発足させ、桶谷式乳房管理法の正しい伝承と桶谷式乳房管理士の育成、母乳育児支援活動を行っています。現在の会員数は550名。全国の助産院(母乳相談室)をはじめ、病産院で皆さまの母乳育児をサポートしています。
※献立サンプルおよびレシピ提供
『管理栄養士さんが考えた妊娠・授乳中の気になる症状改善レシピ200』(日東書院)