男の子と女の子の育て方③しつけの仕方

Q.「しつけ」ってどうすればいいの?

A.しつけばかりを優先してガミガミ叱っても子どもには響きません。子どもが4050歳のときに響くのが、本当のしつけだと思います。大事なのは、何があっても粘れる、「私は大丈夫!」という感覚をどれだけ植え付けられるかどうかです。

Q.では、「ほめて育てる」ほうがいい?

A.それも違うんです。「ほめて育てる」のは行動主義の心理学。「ともに喜んで育てる」のは、今流行っているアドラー心理学です。「ほめて育てる」というのは、「ほめるしかる」上から目線のもの。これをすると、親からほめられるために何かする、叱られないために何かするという子になってしまいます。たとえば、親が見ているときにがんばって部屋を片付けたり勉強したりするけども、見ていなかったら怠けるという子になりやすいわけです。そして、アドラー心理学というのは、自己責任を重んじるもの。「○○してくれて嬉しい、ありがとうね」とか「○○できていると思うよ。次も○○できるよね」といった、信頼と期待を前提とした言葉がけです。

信頼され期待された子は、信頼され期待に答える大人になります。信頼と期待がないほめ方や叱り方をされていると、単に懲罰をされているような感覚にもなります。「ともに喜んで育てる」というのは、勇気づけの子育て。ほめるよりも勇気づけが大事だと思います。

Q.つい上から目線で叱ってしまうとどうなる?

A.感情的になって怒っていると、子どもは「ママは、いまイヤイヤしているから、関わりたくないな」と思われるだけです。カウンセリングルームをやっていても、ママからこうしなさいと叱られたから、ぼく今日からこうする、という子なんてほとんどいません。叱られて来る子どもはみんな、「ママ昨日ね、機嫌がとってもわるかったんだ」って言います。叱られてんじゃなくて、機嫌が悪くなったと捉えられているんです。そして、「機嫌がわるいから一緒にいたくないな」「嫌だな」って子どもが思うのは、正しいことです。

Q.ママのイラつく気持ちを収める方法は?

A.もし、その場で子どもに感情的になりそうになってしまったときは、ストレスを発散させて、子どもにはいつも笑顔を向け、しあわせそうなママでいることが大事。子どもと向かい合っているときは、1時間に1ぺんくらいは気分転換をする必要があります。イラっときたら、10秒くらいストレス発散してそれですぐに戻ってくる。これをくり返しながらやるとストレスは溜りにくくなります。

お話を伺った先生
諸富 祥彦
教育学博士
1963年福岡県生まれ。1986年筑波大学人間学類、1992年同大学院博士課程修了。
英国イーストアングリア大学、米国トランスパーソナル心理学研究所客員研究員、
千葉大学教育学部講師、助教授(11年)を経て、現在、明治大学文学部教授。
臨床心理士、上級教育カウンセラー、学会認定カウンセラーなどの資格を持つ。
著書:「男の子の育て方」「女の子の育て方」「ひとり親の子育て」「ひとりっ子の育て方」 (WAVE出版)、「子育ての教科書」(幻冬舎)、「「子どもにどう言えばいいか」わからない時に読む本」(青春出版社)ほか多数。

関連記事