男の子と女の子の育て方②乳幼児期に愛情注ぐ大切さ

Q.なぜ、乳幼児期に愛情を注ぐのが重要なの?

A.それは、0~6歳(乳幼児期)が心の土台づくりとなる最も重要な時期だからです。人生における基本的な考え方や安心感、信頼感などを育てて行く時期ですね。ですので、この時期の心の土台づくりに失敗すると、将来、普通の感覚ではやらないような問題を起こしたり、気持ちが落ち込みやすくなったりなどのリスクが生じる可能性があります。人生の全体を大きく揺るがしてしまうような時期、それがこの時期です。

いまの時代、社会に出てもいろいろなきびしい環境があります。まじめに勤務していればどんどん昇進するなんていう時代ではありません。そのなかで、何度もへこたれそうになったり、ギブアップしたくなる時期がありますよね。学校に落ちてしまうとか、部活でレギュラーになれないとか、就職で失敗するとか、結婚すると思っていた人に急に別れを告げられるとか……20代くらいでも大きな試練がきますよね。そのとき、もうちょっと頑張ろうと思えるのか、それとももうダメだと諦めてしまうのか。その粘りやふんばりができるかできないかで、人生って大きく分かれるんですよ。その分かれ道が何で分かれるかというと、これが0~6歳のときの心の土台です。何が起きてもこわれない心があるとふんばれる。ところが土台が脆弱だとポキっと折れてしまいます。

Q.土台とは、強い気持ちをつくるということ?

A.多少のことではポキリと折れない柔軟性のある心を育てるということです。たとえば、就活を一生懸命やるけれども面接に来れなかったとか、授業ではいつも一番前の席にいるけれども試験になると休むとか。つまり、最後のところで踏ん張れないという子なんですが、そういう子たちとカウンセリングをしていると、0~6歳の時期にお母さんから十分に愛された経験が少なかったり無かったりするんです。お母さんとの楽しい思い出がないというんです。

これは性格だけによるのではなく、心の土台ができているかいないかによります。大事な土台がないと、自分ではどうしようもないんですね。いくら前向きになろうとしても、どこかですべっちゃう。これは本人ではどうしようもできないことだったりします。

Q.愛情はどう表現するのがいいの?

A.まずは、愛しているとことばで伝えてください。心で思っているだけでは意味がありません。「愛している」とどんどん言葉で言いましょう。それから、だっこしたりタッチしたり、たくさんスキンシップを行ってください。心から抱きしめたり、ぎゅっとしたり、ほっぺにチュッとキスしたり。とにかく、6歳までは、めちゃくちゃ親ばかになって子どもにベタベタするのがイチバンです。甘やかし過ぎると良くないのではという心配は、0~6歳の時期にはいりません。ぎゃくに、しつけといってきびしすぎるほうが大問題です。


お話を伺った先生
諸富 祥彦
教育学博士
1963年福岡県生まれ。1986年筑波大学人間学類、1992年同大学院博士課程修了。
英国イーストアングリア大学、米国トランスパーソナル心理学研究所客員研究員、
千葉大学教育学部講師、助教授(11年)を経て、現在、明治大学文学部教授。
臨床心理士、上級教育カウンセラー、学会認定カウンセラーなどの資格を持つ。
著書:「男の子の育て方」「女の子の育て方」「ひとり親の子育て」「ひとりっ子の育て方」 (WAVE出版)、「子育ての教科書」(幻冬舎)、「「子どもにどう言えばいいか」わからない時に読む本」(青春出版社)ほか多数。

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