古いしきたりだけじゃないママのからだを守る 「戌の日の帯祝い」

妊娠5カ月目の戌の日に行う安産祈願を「帯祝い」といいます。
戌は、干支に出てくる戌からきていて、一度にたくさん赤ちゃんを産む犬にあやかって出産の無事を祈る古くからのしきたりです。
「古事記」が起源という説もあるほど、古くから伝わる習わしなんですね。
「岩田帯と呼ばれるさらし布の腹帯をお腹に巻いて祈願するのですが、岩のように丈夫な赤ちゃんを願い、岩田帯と呼ばれるようになりました。
もちろん現代はそうしたしきたりにこだわらない、という人も多いですし、地域によって風習も異なりますから、夫婦や親族で相談しながら決めましょう。
「戌の日」はなぜ妊娠5ヵ月目なの?
この時期に行うには、しきたりだけには留まらない理由があるので、
知識としてでも知っておいてくださいね。
それは腹帯をすることで
●お腹を冷えから守る
●お腹を支え、赤ちゃんを守る
●ママの腰の負担を軽減する
ということ。
ガードルやサポーターがない時代から、その役割を果たしてきたのですね。
こうしてママと赤ちゃんを守りながら、安産の祈願をするのが戌の日の帯祝いです。
帯祝いには、どんなことをするの?
腹帯は、ママの実家から祝いものとして贈るという風習の地域が多く、先祖代々受け継がれている帯を贈るという人もいるようです。
腹帯は事前に用意してもいいですし、神社でも購入できるところがあります。神社では、祈祷する際の初穂料に腹帯代が含まれているところと、別売りになっているところなど様々です。
近頃は、祈祷まではせずに、お参りに行って安産を祈願する人も多いですし、岩田帯は使わないからガードルを用意する、という人もいますから、柔軟に考えましょう。
ただし、ガードルタイプの祈祷は受け付けていない神社もあるので、事前に調べましょう。
戌の日は、十二支からきているので12日に一度はやってきますから、
月に2~3日は機会があります。
安産祈願の参拝をし、腹帯を巻いて両家で祝い善を囲むのが一般的ですが、
両家なりのスタイルで、妊娠と向き合い、安産を願うことができればいいですね。
古いしきたりは面倒と思う人もいるかもしれませんが、両家が交流するいい機会ととらえると、また違った意味合いをもって帯祝いを迎えられそうですね。
ちなみに岩田帯は使い終わっても粗末に扱ってはいけません。
次の子の出産に備えて保管しておいてもいいですし、
赤ちゃんの産着などにリメイクしてもいいでしょう。
ただし、雑巾やオムツなど粗末に扱うものにするのはよくありません。
使い道がなければ、神社でお焚き上げをしてもらいましょう。